今季開幕投手に内定しているオリックス金子千尋投手(33)が、特別な日? に「スペシャルマウンド」だ。「ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)」で「ネコの日」の2月22日、今キャンプ初めてシート打撃に登板。13打者に対し、4奪三振。ニャン(2)イニング目の駿太に対しては内角のツーシームをずばりと決めて見逃し三振。強烈なネコパンチとばかりに圧倒的な投球を披露した。

 計算し尽くされた異例マウンドだった。1イニングを15球ほど投げるように見立て、イニング間に数分のインターバルをとる変則3イニング。登板を終えると一塁側ベンチで休憩。インターバルをとる場合は、複数投手で進行するのが通常だが、他投手陣の調整事情もあり、投げたのは金子だけ。インターバル中には野手陣にノックが行われるなど変則練習だった。

 金子 打者に投げるというより、間をあけて投げることをやりたかった。試合に近い形式で。しっかり(球数を)投げてイニング間をとる。(紅白戦の場合はイニングが)3球、5球で終わることもあるので。

 本人が志願した形式で、3イニング47球を投げた。3安打されたが、すべて単打。他の選手はホームユニホームだったが「雰囲気出るかな、と思って独断でやらせていただきました」と、金子だけビジター用というこだわりようだった。

 シーズン開幕の3月31日は楽天戦。さすがにネコの日登板については「まったく気にしてなかった」と笑ったが、犬鷲を借りてきた猫にしてくれるはずだ。【松井周治】

 ◆猫の日 ペットフード工業会(現・ペットフード協会)が1987年(昭62)に制定。猫の鳴き声「ニャン、ニャン、ニャン」と2月22日をかけたもの。猫のファッションショーなど、全国各地でさまざまな催しが開かれてきた。