巨人川相昌弘3軍監督(52)が26日、宮崎3軍キャンプの特守で自らノッカーを務め、冗談を交えながら若手3投手を鍛え抜いた。

 午後3時半を過ぎたころ。長谷川潤(25)、ドラフト2位の畠世周(22=近大)、育成ドラフト3位の山川和大(22=BFL・兵庫)を遊撃の位置につかせ、ノックバットを振り始めた。三塁線や二遊間を突いた鋭い当たりに、マウンド横で止まる緩いゴロ。左右だけでなく前後にも、全速力でようやく届く距離に、強弱のある打球を打ち分けた。「まだいけるだろ! あと3箱やるか? ボールは売るほどあるぞ!」の呼びかけに、3投手は「それは…、かんべんしてください!」。小気味よいやりとりに、スタンドからは拍手と笑いが沸き起こった。

 ファンと選手の距離を近づけ、プロフェッショナルの自覚を育てたい狙いがある。3軍の全体練習前は、毎日1選手が「巨人軍憲章」をスタンドに向かって暗唱する。この日は新外国人で育成のホルヘ・マルティネス内野手(23)が「キョジングンケンチョウ!」と大声で初参加。土日にはグラウンドの一部を一般開放し、ファンの間近でウオーミングアップを行う。見られる意識を養い、ファンサービスにも貢献する。

 午後4時過ぎ、合計約110球を受け終わった3投手はスタンドから大拍手を受け取った。畠は「愛情をいただきました。疲れましたけど、楽しかったです」と振り返る。1つ1つのノックには、多くのことが詰まっていた。