来日1号だにゃ。広島の新外国人ラミロ・ペーニャ内野手(31)が2月28日、韓国・サムスンとの練習試合で来日初本塁打を放った。3回の第2打席。追い込まれながら、140キロの真っすぐを捉えて右翼席に運んだ。直前の松山竜平外野手(31)に続く2者連続弾。実戦4試合目に飛び出した1号で外国人枠争いが熱を帯びてきた。

 甘い球に、重さが抜けた体が反応した。ペーニャの実戦8打席目。思い切り振り抜いたバットから放たれた打球は、右翼方向へ大きな放物線を描き芝生席後方に着弾した。実戦4試合目に放った2安打目は豪快な1発となった。

 「甘い球をしっかり捉えることができた。大きな体のホームランバッターではないが、しっかり振り切れば打てる。しっかり振ることを意識してやっていきたい」

 2月15日に来日し、17日にチームに合流したばかり。長距離移動の上、しばらく時差ぼけが抜けなかった。「実戦をしながら状態を上げて行こうと思っている。100%ではないが試合勘を養っていければ」。徐々に体のキレが戻り、実戦勘を取り戻している。

 日本球界での成功を願う思いは、練習態度に表れる。石井打撃コーチに呼び止められると、若手のような駆け足で近づき帽子を脱いで指導を聞く。ベースランニングなどの基本練習にも手を抜かない。「日本のチームに来ているので、日本のスタイルを取り入れている。まだできていないことは時間をかけて取り入れていきたい」。メジャー実績がありながら謙虚。日本球界成功の第1条件はクリアしていると言える。

 堅実な内野守備と両打ちの巧打が売り。豪快な初弾にも「本塁打にはこだわりはない」と足元を見つめる。実戦2戦目の来日初安打も左打席だった。「今は左の方が積極的、攻撃的な打撃ができている。右でも同じような打撃ができるように修正している」。首脳陣の助言に耳を傾けながら、右打席の感覚も養っていく。

 現状は1軍4人の外国人枠を6人で争い、育成選手のメヒアが強烈なインパクトを残していた。緒方監督は「練習から状態が上がっているのを感じていた。試合の中で体を作って、上げていってもらいたい」と期待する。遅れてきた助っ人が、外国人枠争いをさらに熱くする。【前原淳】