守護神復帰! 広島中崎翔太投手(24)が今日3日の全体練習に合流する。2月18日にインフルエンザを発症し、離脱。沖縄2次キャンプには同行せず、4日間の静養後は宮崎・日南での2軍キャンプで調整を行ってきた。すでにブルペンでの投球も5度行い、調整遅れを取り戻した。開幕へ向け、チームづくりが本格化する時期に頼れる右腕がチームに帰ってきた。

 マスク姿も、合流が待ち切れないように中崎の足取りは軽かった。約2週間ぶりの合流を翌日に控え、静かなマツダスタジアムを訪れた。「ちょっと遅れたかもしれないけど、ここから調整できる。チームに合流して、しっかり動けるところを見せたい」。笑顔とともに守護神が帰ってくる。

 順調だった調整が思わぬアクシデントで足踏みを余儀なくされた。「なんだか関節が痛い」と感じた2月18日に「インフルエンザA型」と診断された。小学3年生以来の発症だったが幸いなことに軽い症状ですんだ。喉に痛みを感じる程度で、高熱や嘔吐(おうと)、下痢などの症状は出ず、食欲もあった。発症から静養期間は4日ですみ、体重が大きく減ることもなかった。

 症状が軽かったことで、調整ペースはすぐに軌道修正できた。練習再開後すでにブルペン投球を5度行い、遅れを感じさせない仕上がりとなっている。2月28日には実戦さながらの本格投球で60球。1人でのキャンプ打ち上げとなった前日1日は2日連続のブルペンで体調とフォームの最終確認を行った。

 開幕まで4週間。「調整が大きく出遅れたとは思っていない。沖縄で実戦登板する予定でしたけど、日南でもそれくらいの強度で投げられた」。最終仕上げには十分な時間だ。シート登板を経て、オープン戦のマウンドに上がる。

 約2週間チームを離れたものの「ケガではない。(離脱した)日数分、投げてくれれば問題ない」と畝投手コーチの信頼は揺るがない。中崎復帰で中継ぎ陣の陣容は整ったと言える。「(シーズン前は)焦りや不安が毎年ある。それを考えてもしょうがない」。昨季喜びも悔しさも味わった守護神。17年版「勝利の方程式」にも、その存在は欠かせない。【前原淳】