【守備○、打撃△】

 社会人野球の名門トヨタ自動車出身だけあって、遊撃の守備はプロの1軍レベルに入っても違和感がない。捕るまでの足運び、グラブの動き、捕ってから送球までの動き、どれもスピードがある。キャンプでレギュラーを争う選手の中に入りノックを受けていても、見劣るということはなかった。

 課題は打撃だろう。線が細く、簡単に言えばパワーが足りない。パ・リーグの投手は全体的に、ボールに強さがある。強さに負けない最低限のパワーがないと苦しい。急に体が大きくなったり、力が増すということはない。細かな技術の前段階として、バットをしならせて使う「イメージ」を持ってスイングすることが大切と思う。イメージを持てるだけでも技術が変わり、内容も変わってくる。

 野手が強力な西武で、遊撃は数少ないレギュラー未定のポジション。遊撃手にとって1つの基準である2割5分を打てる打力が備わってくれば、定位置確保も見えてくる。(日刊スポーツ評論家)