WBCドミニカ共和国のエースさながらのトルネード投法で、右打者の内角をえぐる。巨人ドラフト7位の廖任磊(リャオ・レンレイ)投手(23=開南大)が3日、1軍の札幌遠征に同行。到着後の室内練習場での全体練習でブルペン入りし、高橋監督が見つめる前で16球を投じた。「フォームのバランスをチェックした」と言うものの、身長201センチから投げ下ろす直球は威力十分だった。

 独特の投法が、メジャー屈指の右腕と重なる。左足を上げたと同時に、体をクイッとひねって打者に少し背中を見せる。札幌出発前の羽田空港で、指揮官は「右打者は怖いと思う。ドミニカのクエトも、同じような投げ方で体をひねるでしょ?」と、メジャーで昨季18勝をマークした右腕を引き合いに出した。

 クエトについて、リャオは「知らないです」と苦笑いした。それでも巨漢からタイミングの取りにくい投球フォームで内角に150キロ前後の直球を投げ込めれば、クエトのように右打者に脅威を与えて優位に立てる。ブルペン投球を受けた宇佐見は「直球とツーシームが内角のいいところに決まっていた。右打者は嫌だと思う」と右打者封じのイメージをふくらませた。

 今日4日からの日本ハム2連戦(札幌ドーム)はブルペンで待機し、デビューの時を待つ。「先輩たちがすごく良くしてくださる。持っているものをしっかり出したい」。初上陸した北の大地で、台湾の怪腕がベールを脱ぐ。【浜本卓也】

 ◆ジョニー・クエト 1986年2月15日、ドミニカ共和国生まれ。04年にレッズと契約し、08年にメジャー昇格。12年に19勝、14年に20勝を挙げ、最多奪三振のタイトルも獲得。15年途中にロイヤルズに移籍し、同年オフにジャイアンツと6年総額1億3000万ドル(当時約156億円)で大型契約を交わした。昨季は18勝を挙げ、通算114勝75敗、防御率3・23。180センチ、100キロ。右投げ右打ち。