巨人吉川光が“古巣斬り”に成功し、開幕ローテーション入りへ前進した。日本ハム戦に5番手で登板し4回3安打無失点。昨季までの本拠地、かつての仲間との対戦だったが、140キロ台の直球で内角を遠慮なく突いた。「少し紅白戦感が残っていましたが、ゼロで抑えられて良かった」とほおを緩めた。

 “トレード対決”も制した。8回2死二塁、代打で日本ハム大田が登場。昨年11月の大型トレードの相手を外角141キロで二ゴロに仕留めた。「ユニホームが変わっただけでやっていることは変わらない。特別な意識はなかった。(大田との対決は)聞かれると思いました」と笑い飛ばした。

 12年パ・リーグMVPの実力を証明した。前回2月26日ロッテ戦で3回8安打5失点も、自分を見失わなかった。修正点を洗い出し、ブルペンでフォームの確認を続けた。だからこそ、この日は登板直後に2連打を浴びても「四球を出した訳じゃない」と動じなかった。「まだまだ直球の威力は上がる」と話す左腕を、高橋監督も「(経験豊富で)これまで投げてきた投手ですし、ここから上がっていくでしょう」と頼もしげに見つめた。【浜本卓也】