ソフトバンク今宮健太内野手(25)が先制パンチで「進化」を見せつけた。今季のヤフオクドーム「初戦」で、1回に強烈なライナーの右前打。その後の連打を呼び、昨季0勝3敗だった日本ハム高梨相手に先制1点を刻んだ。日刊スポーツ評論家の浜名千広氏も、侍戦士の山田や坂本と同じ間の取り方に「打率3割が期待できる」と太鼓判を押した。

 昨年、日本一をさらわれた日本ハムに、強烈な先制パンチだ。1回、今宮が右前打を放つと、中村晃、吉村と一気の3連打で、1点を先制してみせた。マウンドには昨シーズン0勝3敗だった高梨。対戦防御率1・86だった右腕に「進化」した男が一振りで打線に勢いをつけた。

 今宮 しっかりタイミングが取れている。手でいかずに7割のスイングを心がけているのがいい結果に出た。

 新フォームが今季のブレークを予感させる。浜名氏は今宮の打撃について、こう分析する。

 浜名氏 これまでのフォームは、上げた左足をすぐ降ろして打っていたが、今は左足をいったん高く上げ、円を描くように降ろしてタイミングを計っている。打撃に非常に大事な「間をつくる」ことがうまくできている。

 5日ヤクルト戦(北九州)で2安打した。本拠地ヤフオクでのオープン戦初戦ではチーム初安打で「進化」を証明した。

 浜名氏 ヤクルト山田、巨人坂本も同じ間の取り方をしている。昨年このフォームでブレークした広島菊池も同じだ。打席に立ったときに「打ちそう」という雰囲気を感じさせる。このフォームをしっかりマスターすれば、今季は打率3割も期待できる。

 工藤監督も「連打で1点が取れたのは大きい」と今宮の一打を喜んだ。V奪回が命題の今季。「新今宮」が、最大のライバル日本ハムにたちはだかる。