ソフトバンク摂津正投手(34)が4回無失点で開幕ローテ争いに踏みとどまった。3回1死から3連打で満塁のピンチをつくったが、シンカーで石井一を空振り三振。続く近藤も右飛に打ち取った。「全体的にまずまずの内容だった。走者が出て慎重になりすぎたのが反省点」。4回で66球と球数も多かったが、丁寧に内野ゴロを打たせる持ち味は十分に発揮した。

 12個のアウトのうち内野ゴロは9個。そのうち5つは遊ゴロだった。「ゴロはけっこう際どい打球になる。(強肩の)今宮だったからアウトになった」と、8年ぶりに張り替えられた人工芝の状態も把握できた。今季から投手板の踏む位置を三塁側から一塁側に変えた。「(見える景色は)さほど変わりはない」。約60センチ違う立ち位置からシュートやカットボールなど細かく動く球も投げ、凡打の山を築いた。

 工藤監督は「回の先頭を内野ゴロで打ち取っていた。次回も期待したい」と評価。佐藤投手コーチも「直球に力があって変化球もそれなりによかった。欲を言えばもっと早めに勝負してほしいけどね」と期待した。5年連続開幕投手を務めた昨年はわずか2勝。今キャンプでは「まずは先発ローテーションに入ること。そしてもう1度2桁勝利を」と意気込んでいた。

 開幕投手の和田、WBC組の千賀、武田、バンデンハークは確定。残り2枠を東浜、中田、松坂と争っている。開幕まであと2回の登板機会で結果を重ね、堂々と今年も先発の一角に名を連ねたい。【石橋隆雄】