巨人高橋由伸監督(41)が侍ジャパンの菅野、小林にさらなる高みを目指すことを指令した。今日10日のオリックス戦(ほっともっと神戸)に向けて9日、神戸入り。前夜8日のWBC1次ラウンド・オーストラリア戦で菅野は5回途中まで1失点の好投を演じた。それでも指揮官は「全体的には良かったけど、厳しいことを言えば先に点を取られるな」と完全無欠を求めた。

 2回にまさかの1発を浴びた。唯一の失点も国際大会では命取りになりかねない。「短期決戦は特に苦しくなる。でもそれだけで抑えられたのは良かった」。真のエースならば勝負の鉄則を守らなければならない。

 正捕手の小林にも同様だった。5回1死満塁で6球連続ボールが続いた2番手岡田に歩み寄り、絶妙な間を取って併殺に切り抜けた。機転を認め、「(坂本)勇人が遊撃手にいる。タイミングも計りやすいし、勇人がいるのも大きいのでは」と同僚が内野の要にいる効果を強調した。

 「レギュラーは勇人だけ」というのは変わらぬスタンス。優位性はあるが、巨人に戻ればアピールを続ける宇佐見との競争も待ち受ける。「こっちで試合に出たら出たでうまくなる要素はあるが、こっちで何試合出たって経験できないことを向こうでしている」。プライスレスな体験が成長の原動力となることを望む。【広重竜太郎】