DeNAドラフト9位の佐野恵太内野手(22=明大)が、また打った。7回1死満塁、中前に2点適時打を放った。カウント1-1からの3球目。外角にきたフォークボールだった。「外野フライを狙っていたら、いいところに転がった」。思い切りのいいスイングで振り切ったからこそ、鋭い打球を打てた。

 試合前、不意にラミレス監督が話しかけてきた。「2ストライクでも変に自分の打撃を変える必要はない。どのカウントでも待ち球も打ち方も変えるな」とアドバイスを受けた。好調を維持するルーキーが、考えすぎて小さくまとまることなく、大きく育てるための助言だった。その言葉を信じ「『投げられるもんなら投げてみろ!』と思って打席に入りました」と強気の姿勢を忘れなかった。

 オープン戦5試合で12打数6安打6打点、打率は5割。今や左の代打の切り札だ。「結果を自信にしながら、打ち続けるしか自分の生きる道はない」と、満足せずに開幕まで走り続ける。【栗田成芳】