巨人の最速164キロ右腕で新外国人のアルキメデス・カミネロ投手(29=マリナーズ)が、また0を並べた。オリックスとのオープン戦に4番手で登板。7回1イニングを3者凡退に抑え、紅白戦を含め5試合連続無失点、しかも無四球と快投が止まらない。3人目の打者、吉田正の初球にはこの日最速の155キロ。クイックも交え、最後は154キロの外角低めで見逃し三振を奪い「キャンプからやってきた成果が出せた」と拳を握った。

 沢村、マシソンと競う守護神争いの有力候補になりつつある。何より四球がゼロだ。昨年までのメジャー4シーズンで与四球率(9イニングあたりの四球数)は4・01。制球に課題ありとの前評判とは異なり、内外の低めに制御している。「去年よりも制球がまとまっていると感じる。オフからの激しい練習を全力で取り組んできた効果」。勝ち試合の最後を託すに足る安定感がある。高橋監督は「四球を出す選手が多い中で、それが目立つのはどうかとも思うが、カミネロは安定している」と高く評価した。

 試合前には、母国のドミニカ共和国代表がWBC1次ラウンド初戦を勝利する吉報が届いた。「母国の勝利はとてもうれしい。練習中で試合を見ていないので、練習後にいろいろ調べました」と刺激にした。開幕まで残り3週間。ハイレベルの守護神争いでチームを底上げする。【松本岳志】