中日のルーキー笠原祥太郎投手(21)が14日、朱鷺メッセ(新潟市中央区)で新潟医療福祉大の卒業式に出席した。同式典で学長賞と成績優秀者表彰をダブル受賞。「人生を変えてくれた4年間。ここで野球をやらなかったら今の自分はない」と最速147キロ左腕は感慨深そうに話した。

 卒業式で久しぶりに友人たちと顔を合わせた。「サヨナラ。ドンマイ」。笠原は「第一声はこれが一番多かった」と苦笑いした。11日にソフトバンクとのオープン戦で、プロ「初黒星」の洗礼を浴びた。3-0の9回に4番手で登板し、打者6人に4安打1四球の4失点(自責3)。1死しか奪えず、サヨナラ負けした。「置きにいったボールは打たれた。プロは、少し高めでもヒットゾーンに持っていく。腕を振ってストライク取るのが大事」。

 もっとも、笠原の気力はしぼんでいない。12日以降も再チャンスをもらって1軍に残った。「今後の試合で結果を出して開幕1軍」と、強い決意は変わらなかった。将来のWBC出場にも「努力を重ねて、出場できるレベルになりたい」と言う。「一生つきあう大事な友人たち」から元気をもらって、式後はオープン戦で関東遠征中のチームに再合流した。【涌井幹雄】