15年7月21日以来の1軍マウンドで、巨人杉内俊哉投手(36)が顔をゆがめた。2回にはソフトバンク江川に2ランを浴び、4回2死から死球と二塁打で3失点目。なおも四球で予定の60球を超え、救援を仰いだ。「ブルペンでは球数を投げられても、試合では違う」。古巣が相手で、同学年の和田との投げ合い。対戦前に「よろしく」とLINEを送り挑んだ一戦は、悔しい途中降板となった。

 15年10月に野球界で前例のない手術を受けた右股関節が、かつての状態を取り戻すことは簡単でないと分かっている。「昔に比べて(力が)落ちているのは自分でも分かっています。でもやっとここまで来られた。今できる100%を出したい」。患部の負担を軽減するために、今季からプレートを踏む位置を三塁側に変更。13日のジャイアンツ球場ブルペンでは、従来の一塁側を踏みそうになり「間違えそうになった」と苦笑い。それほど体に染みついたものを変えてまで、復活を目指してきた。

 今後は最速134キロだった直球の力を取り戻すと同時に、長いイニングを投げられる状態を整えていく。「現状のパフォーマンスで1軍公式戦というのはおこがましい。まずは長いイニングを安定した投球ができるように」と、段階を踏みながら1軍ローテ入りの時期を探っていく。次回登板は状態面を見て、舞台や時期を判断される見込み。焦らず着実に、復活の時を待つ。【松本岳志】