藤浪、開幕ローテ入りは不変! 阪神金本知憲監督(48)が16日、WBC日本代表の藤浪晋太郎投手(22)について、変わらず開幕ローテの一員として計算している考えを明かした。侍ジャパンは15日に準決勝進出を決め、この日米国へ出発。現状、藤浪の3月登板は5イニングだけで、帰国は開幕直前の下旬になるが、指揮官は大黒柱を信じて開幕ダッシュを託す。

 久しく藤浪の姿を確認できていない。WBC合宿に送り出したまでは良かったが、虎の大黒柱は10日の1次ラウンド中国戦に登板して以降は出番がない。指揮官は「心配やな。オレは不安よ」と苦笑いした。では、場合によっては開幕ローテの6人から外す可能性もあるのか? そんな問いかけに対し、本人の覚悟を尊重する考えを明かした。

 金本監督 う~ん、それは(日本に)帰って見てみないと分からない。まだ若いし、体力もある。全然行けますよ、というタイプだと思うけど。大丈夫ですよと、アイツは絶対に言うと思う。無理して投げさせることもないし、無理して休ませることもない。投げたいというのなら、投げさせればいいんじゃないの?

 藤浪は現状、3月は計5イニングしか実戦マウンドに立っていない。1日の台湾選抜戦は1回を3人で抑えたが、5日のオリックス戦は、先発で2回を2安打2四球2失点。大会本番の10日中国戦では2番手で2回を投げ、被安打0で4者連続三振を奪ったが、2者連続四死球を与える場面もあった。WBC開幕後は慣れないブルペン待機を続け、本来の先発調整から遠ざかっている。日本代表首脳陣から登板の少なさも考慮され、日本時間19、20日の練習試合、カブス戦かドジャース戦で先発することが有力となった。だがシーズンではWBC球からNPB球に戻る。それでも指揮官の信頼は揺るぎなかった。

 開幕戦の3月31日広島戦は、メッセンジャーの先発が内定している。オープン戦の登板順を見る限り、開幕2戦目は岩貞、3戦目は能見が任されそうだ。藤浪の状態に問題がなければ、大事な6連戦初戦で本拠地開幕戦の4月4日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)を託される可能性が高い。

 侍ジャパンは前日準決勝進出を決め、この日米国へ飛び立った。これで藤浪の帰国、阪神合流は開幕直前の3月下旬となることが決まった。難しい調整が強いられるのは間違いないが、金本監督は「投げたいだろうから」と藤浪の持つ強い責任感をおもんばかった。ロケットスタートを狙う上で、背番号19の剛腕は欠かせない。【佐井陽介】