ヤクルト石川が、オープン戦最終登板で5年ぶりの開幕投手に向けて盤石の投球を見せた。31日にDeNAとの開幕戦が行われる神宮でオリックス戦に先発し、7回を4安打7奪三振無失点。三塁を踏ませなかった。オープン戦は3試合14イニング連続無失点だ。

 開幕投手は、5回無失点に抑えた11日の広島戦(福山)後に真中監督から告げられたという。「テンポよく、両サイドを使えたのは良かった。(開幕戦でも)やることは一緒」と充実した表情だった。自身8度目の大役を任されても、気負いなく仕事を果たした。

 熟練の技に磨きがかかった。この日の登板前、石川は「吉田(正尚)君と対戦できるのは楽しみだな。すごいバッターだよね」。将来を期待されるスラッガーは、14歳下の青学大の後輩。打たれるわけにはいかなかった。1、2打席目はともに得意のシンカーで空振り三振。3打席目は内角のシュートを詰まらせた。「シーズンでも数多く、こういうピッチングをしていきたい」とうなずいた。

 37歳の開幕投手は、球団では81年松岡弘の33歳を上回る最年長だ。監督は「怖いくらい、いい内容。普通に調整してくれればいい」と信頼を寄せる。石川は24日にDeNAとの2軍戦(戸田)で“予行演習”を済ませ、昨季8勝中6勝を挙げた本拠地での開幕戦を勝利で飾るつもりだ。【鹿野雄太】