最強ジョーカーだ。阪神中谷が二塁打2本で金本監督をうならせた。1回1死ではオーレンドルフの外角138キロ直球をとらえて左中間二塁打。7回は先頭でルーキー星に2ストライクと追い込まれながら、外角低め142キロ直球を再び左中間に打ち返した。「良かったです。悪い時を短くしようと思っている。昨日悪かったので今日しっかり打てて良かった。自分の形で振れている」と納得顔だ。

 オープン戦は打率3割1分9厘で13打点。特筆すべきは5割5分3厘の長打率だ。15安打のうち二塁打が6本、三塁打と本塁打が1本ずつ。出塁率と長打率を足して8割あれば強打者と評される打者評価の指標OPSは、9割2分6厘まで跳ね上がった。課題の直球打ちも克服の気配。金本監督は「いいと思う」と評価した後、シーズンでの起用法もイメージした。

 本職の外野以外に一塁も守り、三塁挑戦も再開。まだ三塁守備はおぼつかないが、指揮官は内野起用について「あれを見ると使いたくなる」。続けて「(福留が)休みの時は最有力候補になる。高山が調子を落としたりしたら真っ先に中谷になってくる」と説明した。外野3ポジションに一塁、そして三塁。先発メンバーが調子を落とせば、いつでも中谷が取って代われる状況だ。虎の選手層が厚くなってきた。【佐井陽介】