憧れの地で1軍残留への思いを強くした。楽天ドラフト9位の高梨雄平(24=JX-ENEOS)が20日、西武戦に3番手で登板。マウンドに上がると、少し胸の鼓動が早まった。メットライフドームでの投球を「幼いころから見ていた場所。埼玉出身なので、特別です」とかみしめた。

 学びの内容となった。先頭打者に「1人目を大事に行きすぎた」と四球を与える。投ゴロ、見逃し三振で続く2人を抑えるも、2死二塁から迎えたのは西武中村。初球、内角高めの直球で詰まらせたが、打球は左前へとポトンと落ちた。同点とされる適時打で、オープン戦5試合目での初の自責点。「厳しいコースを突いたけど、落ちてしまうのは高かったということ」と強打者への1球を悔やんだ。

 ミスを繰り返さない。貴重な左の中継ぎとして、開幕1軍入りへ最終段階。「中継ぎは失点しちゃいけない。高さやコース、カウントに応じた投球をもっと考えるきっかけになった」と地元埼玉での失点はシーズンへの復習材料となった。川越東時代は「野球を見るヒマもそんなになかった」と勉学に励み、早大進学。勉強は得意だ。「もっと0に抑えるということに対して執着心を持っていきたい」。考え、1軍への合格をつかむ。【島根純】