中日のドラフト2位京田陽太内野手(22=日大)が開幕遊撃の座を大きく引き寄せた。西武戦は二塁で先発予定だったが、堂上が試合直前に右肩の違和感を訴え、急きょ遊撃に変更。ここぞとばかり、菊池から長打を連発した。堂上がリードをみられていた遊撃争いで“逆転劇”が起きるかもしれない。

 相手は開幕投手の菊池。15日にも対戦した相手だが、仕上がってきた左腕を打線は攻めあぐねた。前回は途中出場で今回が初打席だった京田も「前のときと全然キレが違った」と驚いたが、1打席凡退のあとにただ1人、長打を連ねてみせた。

 3回1死一、二塁は内角低めのスライダーを打って右越えの適時二塁打。1点を追う6回1死では、143キロをはじき返して右中間真っ二つ。ゆうに三塁まで走り抜けた。さらに、石川の浅い右飛で本塁に生還。バットに足を絡めたプレーで計2点をつかみ取った。9回は増田から左前にクリーンヒットで、初の3安打。わずかに規定に届いていていないがオープン戦打率は2割7分3厘だ。

 森監督は「大きいだろう。いいときにこう、チャンスをものにできてきている。エース級から打って、チャンスを作って2本3本と打っている」と称賛。開幕遊撃については「相手(投手)が誰か分からないから決めていないけどな」とニヤリとした。

 開幕戦に遊撃で先発すれば中日の新人では88年立浪、99年福留以来。京田は「まだ1軍も決まっていない。これだけチャンスをもらっているので結果を残さないといけない。あと2試合あるので、しっかりできることをやるだけです」。大先輩たちに続く大役の可能性を広げた。【柏原誠】