あるぞ、超攻撃型リードオフマン! 阪神糸井嘉男外野手(35)が虎移籍後、初めて1番打者として出場した。2打数無安打と快音は聞かれなかったが、1回には四球で出塁して、虎のユニホームでは初めて盗塁を企図するなどハッスル。糸井は「バッティングスタイルが塁に出て走るということなんで。(1番も3番も)変わらない」と表情を変えずに話した。

 土を蹴り上げたのは1回。無死一塁の場面。打席には2番上本が立っていた。一塁走者の糸井はソフトバンク摂津の2度のけん制をかいくぐり、猛然とスタート。前傾姿勢からトップスピードに入り、右足から二塁ベースに滑り込む。アウトになったが、右膝関節炎の影響を感じさせないパワフルな走塁だった。

 「1番センター糸井」の可能性は十分にある。これまでオープン戦6試合の出場はすべて3番。開幕まで残り4試合のところで新たな手を試した金本監督は「ありえるかもしれない。どういうのがベストなのか、試している。とりあえず開幕という区切りで。シーズンに入れば、流動的になってくると思う」と明かした。

 糸井は「今日はスタートを切れたことが良かったと思う」と言い残し、帰りのバスに乗り込んだ。オリックスに在籍していた昨季、1番で33試合、3番で110試合に出場。足の不安がなくなった今、どこでも高いパフォーマンスが期待できる。背番号7の効果的な打順とは-。3・31の開幕まで試行錯誤が続く。【桝井聡】