日本ハム大谷翔平投手(22)が、投手としては“ぶっつけ1軍マウンド”となる可能性が高まった。24日、チームは東京から北海道へ移動した。栗山英樹監督(55)は、遅れている「投」の復帰プランについて、「短いイニングで、いきなり(1軍で)行かせるかもしれない。どの形が、チームにとって優勝に近づくのか」。2軍での調整登板ではなく、中継ぎなどで1軍登板させながら段階を踏む可能性に言及した。

 経験値はある。右手中指のマメをつぶして一時登板ができなくなった昨季、1軍で2度短いイニングでの登板を挟み、約2カ月のブランクを経てローテーションに復帰した。メリットはもちろん、打者・大谷の出場機会を減らさないこと。指揮官は「打つのも投げるのもどっちも期待してるよ」。オープン戦はわずか7試合の出場ながら、4本塁打で12球団トップタイ。開幕から重要な戦力として計算しているだけに、2軍調整でチームを離脱させることは全体的な攻撃力ダウンにもつながりかねない。

 現在もブルペンでのネットスローなど、本格的な投球再開には至っていないが、経過を見守ってきた栗山監督は「(練習強度は)もう投球練習に近い」と、内容は実戦レベルに近づいているという。キャンプ中からキャッチボール、遠投は続けてきており、軌道に乗れば一気に前に進む可能性もある。

 今日25日からは、開幕前最後のオープン戦2連戦(対ヤクルト、札幌ドーム)。打者で臨む大谷は「(走塁も)できればいいけど、あまりそこを求められていないのではないかと思う。それより打席の中でしっかり振って、安打や長打を求められていると思う」。今年も投打で、チームの原動力になることだけは間違いない。【本間翼】