開幕4番は譲らん! 7試合ぶりに4番復帰の阪神原口文仁捕手(25)が意地の先制打を放った。0-0で迎えた6回2死二塁の場面。1ボールから金子の直球を右翼にはじき返した。「ポイントを近めにして、走者をかえすことに集中していた。チャンスはそんなにないと思ったので、結果が出てよかった」。5回までチームのヒット数は1本と苦しんでいた相手エースから、鋭いスイングで決勝点をもぎ取った。

 開幕を前にトンネルに入りかけていた。この試合まで直近5試合の成績は15打数3安打、0打点。オープン戦序盤は4番だった打順も徐々に下降し、前日23日のソフトバンク戦ではスタメンからも外れた。金本監督も開幕4番について、「中谷もあるかも分からん。中谷も左、右のバランスで」と注目発言していた。

 だが、この日の金本監督は金子撃ちの勝負強さに目尻を下げた。「ワンチャンスを生かす原口の一番いい所だ。ああいう所でポンとかえしてくれる」。だが原口に慢心はなく、挑戦者の立場を強調した。「ランナーがいればかえす。いなかったらチャンスメークする。試されているというのは自分でも分かっている」。まだ確定は出ない。開幕まで4番争いは続く。【桝井聡】