ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)帰りの日本ハム中田翔内野手(27)が、チーム復帰戦で存在感を見せた。オープン戦最終戦のヤクルト戦(札幌ドーム)で1点を先制されて迎えた1回。中前への同点適時打を放った。前日25日にチームに合流し志願し出場。初打席で4番健在を示した。

 侍中田のターゲットは、すでに日本一連覇へと向けられていた。復帰初打席は好機でまわってきた。1死一、二塁、カウント0-1。ヤクルト・オーレンドルフの124キロスライダーを振り抜いた。引っかけながらもパワーが勝った。「まぐれなヒットですけど、点を取れて良かった」と納得はしなかったが、貴重な同点打になった。

 31日に開幕する17年シーズンへ向け、志願の出場だった。「(外国人特有の)動くボールしか見てない。きれいなフォーシームを見てないので、2打席くらい立ちたい」と、自身今季最初で最後のオープン戦に4番に座った。相手先発は外国人投手。「結果ツーシーム」と苦笑いの結末だった。2打席に立ち日本人投手との対戦はできず「きれいな真っすぐは見ることできなかったけど」と残念がったが「試合勘はWBCであれだけの試合をやっているので問題ない」と自信をみなぎらせた。

 右足首で調整が遅れた大谷は、野手で開幕を迎える。「チームも助かる。翔平がいた方が映えると思うし」と責任感を見せる。自身2度目のWBCも世界一には届かず、「負けた悔しさはまだある」。それでも「大事なシーズンが待ってる。切り替えて準備しなければいけない」と前を向く。自身プロ10年目は、チームにとって球団史上初の連覇がかかる。【保坂果那】

 ◆WBCでの中田 日本代表が戦った7試合中、6試合にすべて「5番・一塁」で出場。2次ラウンド初戦のオランダ戦(東京ドーム)で、日本代表では最多タイとなる1試合5打点をマークした。オーストラリア戦、中国戦、オランダ戦で記録した3試合連続本塁打は日本人初めて。