阿部 WBCで誠司が頑張っている姿は、素直にうれしかった。グアムで共同生活しながら練習をした仲間だからね。自分ももっとという気持ちになった。今年はチームとして絶対に負けたくない。

 精悍(せいかん)さが増した小林も成長曲線を緩めることなく突き進む。自らバリカンで6ミリに刈り上げてから開幕戦に向かう。「今思えば(丸刈りは)きっかけになった。節目ですから。それが一番、気持ちも高ぶる。グアムでのことを忘れたくない」。急成長を支えたルーツは阿部との自主トレにあると力説した。その成果はWBCでも如実に表れた。だが、周囲の評価を厳しく断じた。

 小林 貴重な経験だったけど、満足は一切ない。自分が成長したとも思っていない。野球がうまくなりたいと今まで以上に思った。負けた悔しさが大きい。だから絶対に勝ちたい。

 負けたくない阿部と、勝ちたい小林。2人の思いは巨人の日本一へとつながるはずだ。【為田聡史】