一塁を回ると激情をあらわにした。右腕を突き上げてガッツポーズ。阪神の開幕4番福留が、しぶとい広島に引導を渡す一撃を見舞った。2点差に迫られた9回1死一塁で薮田の低い球を完璧にすくうと、右翼席に一直線。今季のチーム1号となる豪快2ランで試合を決めた。
試合の中盤以降は押され気味だった。それだけに、福留も「向こうに流れがいく展開だった。いい形でとらえることができたし、自分らしくスイングできて良かった」と納得顔。開幕戦アーチを「あるんじゃない? 覚えていない」と意に介さない。中日時代の03年以来、自身3本目だった。
オープン戦打率は1割3厘。わずか1日で周囲の不安を一蹴した。4回と6回の右前打も痛烈な打球で、間合いをつかみ、完全に捉えていた。4番らしく、初戦から猛打賞の活躍。「試合に入って気持ちをしっかり出して」と言う。勝ちたい一心だった。球場への出発直前、広島市内の宿舎で出陣式。キャプテンとしてナインの前で口を開いた。
「頑張りましょう。143試合、毎試合、勝ちにこだわっていきましょう」
26日に40歳を迎えるが、はつらつさは若手に負けていない。金本監督を「メチャクチャ、大きかった。さすがだ」とうならせた。勝負根性を体現し、ナインを鼓舞した。【酒井俊作】



