初陣を落とした中日森繁和監督(62)は思いのほか、足取り軽かった。ファンの呼びかけに「はいどうも~」と手を上げた。敗戦の中に確かな手応えがあった。

 就任以来、掲げたのは徹底した機動力野球。試合前の訓示では「1つ先の塁を狙おう」と念を押した。

 オレンジに染まる敵地が静まりかえるシーンがあった。5回の攻撃。先頭遠藤は、右中間寄りで右翼が押さえた打球で、一塁を蹴って二塁打にした。続いて、新人京田がプロ初安打の右前打で出塁。杉山の左犠飛で、京田も二塁を奪った。そこから2点目が入った。中日の新しい戦い方をライバル巨人に強く示した。

 その点で反省は4回。無死一塁でビシエドが遊撃にフライを打ち上げた。打ち損じがショックだったのかゆっくり走った。坂本は見逃さず、わざと落として遊-二-一の併殺に。指揮官は「ああいうことはしてほしくない」と戒めた。

 開幕投手の大野が6失点と崩れ、東京ドームの怖さを思い知らされた。ただ、決して意味のない負けではない。京田、遠藤の活躍以外にも、指揮官自らが挙げたプロ初登板の三ツ間の好投もあった。「まだ1試合終わっただけ。反省材料にすればいい」。その言葉には明るさがあった。【柏原誠】