由伸采配ズバリで2年連続の開幕3連勝だ。巨人高橋由伸監督(42)は1点を勝ち越した後の6回1死二、三塁で、ブレークを期待する3年目岡本の代打に亀井善行外野手(34)を起用。亀井が2点適時二塁打を放って勝利を決定づけた。積極的な采配が的中し、就任から2年連続の開幕3連勝。V奪還へ最高のスタートを切った。
珍しい光景だった。6回1死二、三塁で、代打亀井の打球が一塁線を破って2者が生還。試合中はあまり喜怒哀楽を出さない高橋監督が一塁側ベンチで手を突き上げ、頭の上でたたいて喜んだ。期待の岡本をベンチに下げる積極采配がはまっての開幕3連勝。「亀井も期待に応えてくれた。いい攻撃ができたと思う」と充実の表情で振り返った。
勝負手が決まる布石は、2カ月半前に打っていた。1月中旬。春季キャンプのメンバー決定後、発表前に亀井に電話で「2軍スタート」を告げた。若手の台頭を促す明確な狙いがあったとはいえ、直接自分の言葉で思いを伝えた。現役時代に自主トレを一緒にした後輩の能力の高さは知っている。故障が多いタイプだからこそ、焦らせず調整させ、万全な状態で競争の輪に加わらせた。
指揮官の“親心”を亀井も感じ取った。「年齢も年齢だし仕方ない。でも監督から電話をいただいた。しっかり2軍で練習できた」。負傷離脱なくバットを振り込み、監督の意図通りに仕上げた。
試合中は、かつての代打の切り札だった指揮官の姿を思い起こした。5回まではベンチで戦況を見つつ、照明の明るさに目を慣らした。「由伸監督の現役時代の動きを見ていたので」とまねた。打席では2軍生活が脳裏をよぎった。「田代コーチから『1球で仕留めろ』と口酸っぱく言われていたのが残っていた」。初球の内角直球を詰まりつつはじき返せたのは、2軍での鍛錬のたまものだった。
心技体がそろうからこそ隙も突けた。その後の1死一、三塁の三塁走者で、大竹寛の犠打に三塁ゲレーロが猛チャージするのを見て、大きな離塁から本塁を陥れた。高橋監督が「センスを見せてくれた」と喜ぶ姿に「それが一番うれしい」と笑った。
昨季は開幕4連勝も波に乗り切れず、リーグ2位に終わった。だからこそ、高橋監督は「本当に出した選手がみんないい活躍をしていい形でスタートが切れた。これ以上はない」と話しつつ「また気持ちを切り替えていきたい」と締めた。就任2年目。思うままに指揮を振る。【浜本卓也】
▼巨人が昨年に続いて開幕3連勝。これで高橋監督は昨年のヤクルト3連戦、今年の中日3連戦と、開幕カードは負け知らずだ。巨人の開幕3連勝以上は18度目になるが、2年以上連続は81年4連勝→82年3連勝→83年5連勝と3年続けて以来2度目。前回の3年連続は藤田監督1年目から記録したもので、監督1年目から2年続けて開幕3連勝したのも藤田監督に次いで巨人史上2人目になる。



