開幕戦で、昨季5位の中大が、連覇を狙う日大を下した。「サニブラウンに勝った男」五十幡亮汰外野手(1年=佐野日大)が「9番中堅」でデビュー。大学での初打席で、内野安打をもぎとり、追加点へつなげた。投げては、ドラフト候補の鍬原拓也投手(4年=北陸)がリーグ戦初完封を飾り、6-0で勝利した。

 五十幡らしい、大学第1歩だった。2回の初打席。左打席から放った打球が、三塁方向へ大きくバウンドした。三塁手の懸命な送球より五十幡の足が勝った。スカウトの計測で一塁到達は3秒77。一般的に、4秒を切ればプロでもトップクラスだ。「どんな形でもヒットが出たのはいい出だしです」と、50メートル走で5秒6の快足を生かしたデビューを飾った。

 中学3年時の13年全日本中学校陸上競技選手権大会に出場し、サニブラウン・ハキーム(18)を退けて100メートル、200メートルで2冠を達成。高校から野球一本に絞った。過去最高で一塁到達は3・6秒台を計測したこともあるという。「打撃も守備も足を生かした選手になりたい」とプロを目指す上で、伸び代は十分だ。

 今季から指揮官へ復帰した清水達也監督(52)は「五十幡にはいろんな経験をさせたい。チームとしてはしっかり守れて、先に点を取られなかったことが大きい」と振り返った。5季ぶりの開幕白星発進で勢いづく。【和田美保】