ソフトバンク石川が、敗戦の中で大きな輝きを放った。5点ビハインドの4回から2番手で登板。最速153キロの直球とスライダー、フォークで西武打線の勢いを止めた。最後まで投げ抜き、5イニングを1安打1失点。8回2死からメヒアにソロを食らったが、開幕から登板3試合目、打者23人目で初めて許した安打、得点だった。

 「1イニングを5試合より1試合5イニングの方がより勉強になる。中継ぎの人も投げているし、連日(肩を)つくっている。チームにとってプラスにしないと」。1軍登録13番目の投手が、救援陣を休ませた。

 昨年7月に育成から支配下登録されたが、1軍登板はなし。転機は今年1月の自主トレだった。同じ育成出身の千賀が、鴻江トレーナーが行う合同トレに誘ってくれた。そこで中日吉見らから刺激を受け、ボールが高めに浮く悪癖を解消。キャンプ、オープン戦と争いをくぐり抜けた。

 工藤監督も「よく頑張った。球の力もあるので、積み重ねていけば勝ちゲームで投げられるようにもなる」と高い期待を寄せる。ファームでは主に先発で登板。千賀のように近い将来1軍で先発する可能性も十分ある。

 女性アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の熱狂的ファン。この日の夜は同じ埼玉県・富士見市でライブが開催されていた。途中から見ることも可能だったが、試合後「今からは行かないですよ。ウエートトレーニングもありますし」と残念そうに笑った。今までは、ももクロのライブ会場でしかなかったメットライフドームで、石川はプロ野球選手としての大きな自信をつかんだ。【石橋隆雄】

 ◆石川柊太(いしかわ・しゅうた)1991年(平3)12月27日生まれ、東京都出身。総合工科、創価大を経て13年育成ドラフト1位でソフトバンクに入団。当時はトルネード投法が売りだったが、肩、肘に負担がかかって故障が続いた。育成3年目の昨年、ようやく2軍デビューを果たし支配下登録された。最速は153キロ。ももクロの熱狂的ファンで、武田らからは「オタクさん」と呼ばれることも。今季年俸500万円(金額は推定)。185センチ、86キロ。右投げ右打ち。