もちろん、福良淳一監督(56)も、仏ってま~す! オリックスが3年ぶりの6連勝だ。14安打11点でロッテを一蹴。難敵ロッテ石川を沈めるなど、連打の連続となる一丸野球を演じた。試合前の練習では、選手、スタッフが「鬼ってる? 仏ってる? 福良監督シリーズ」のTシャツ姿で登場するなど結束力もばっちり。首位楽天に1・5ゲーム差だ。

 オリックス打線が難敵を、わずか3回で沈めた。世界4強の侍ジャパンのエース級右腕を5失点KO。序盤の石川攻略を実らせ、今季最多14安打11点の大勝で14年8月以来の6連勝を決めた。

 初回、先頭の宮崎が5球ファウルで粘った。中飛に終わったが、石川に9球を投げさせた。「いい投手を攻略するには、ああいうしぶとさが必要」と福良監督も目を細めた直後、2番・駿太からの3連打で1死満塁。小谷野が三遊間を破る2点適時打を放った。「うまく体が反応してくれましたね」と小谷野。3回1死一塁ではその小谷野が四球でチャンスメーク。続くT-岡田、中島らの4連打で3点を奪い、石川をKOした。

 この日の試合前、“オニ軍団”がグラウンドに現れた。選手、スタッフが「鬼ってる? 仏ってる? 福良監督シリーズ」のTシャツ姿で登場。胸の福良監督はホトケの笑顔だが、背中は真っ赤なオニの顔。春季キャンプ中の監督の姿にヒントを得たTシャツ。球団広報は「みんなで着て心を1つにしよう! と提案がありました」とT-岡田選手会長らの計画と示唆した。

 まさかの例外は、福良監督。「Tシャツ? 知らないよぉ」とウインドブレーカー姿だったが、日本ハム時代から「オニの福良」と「ホトケの福良」に育てられた小谷野は言う。「オニでもホトケでも、常に愛情を持って接してくれた方。だからぼくは(FAで)ここに来た。今年はみんなが同じ方向を向いてる。監督を男にしたいって」。8回の4年ぶりの三塁打に思いが詰まっていた。

 右ふくらはぎを痛めた西野の代わりに二塁で先発起用した大城も、2安打2打点。2月7日の練習中に左太もも裏を痛めて2軍送りにされた大城は、思えば福良監督をオニにした1人だった。それがこの日は監督を「いい競争ができてるよね」とホトケにした。連勝が続けばオニの福良は消えてなくなる。【堀まどか】