日本ハム栗山英樹監督(55)が、勝利へ執念の継投に出た。ソフトバンク3回戦(札幌ドーム)は、4回まで2安打1失点と好投していたプロ初先発の村田透投手(31)を勝利投手目前で降板させ、5回から5人の投手をつぎ込んだ。救援陣も思いをくみ、強力打線の猛追をしのぎきった。今季初めての連勝で、初めてのカード勝ち越し。好投の村田も、今後は先発調整に入ることになった。

 栗山監督が執念の継投へとシフトした。4回2安打1失点、リードを保っていたプロ初先発の村田を降板させた。「今日のヒーローは村田。勝ち星は…申し訳ない。すばらしかった。感謝しています。監督をやってきて、初めてロッカー(室)までいった」。思いを直接伝えた。指揮官の熱は、選手たちへ波及した。5人の投手がバトンをつなぎ、今季初めての連勝&カード勝ち越しをもたらした。

 村田のオープン戦の最長登板は、3月19日広島戦の5回75球。シーズンに入ると中継ぎとしてブルペンを支えてきた。指揮官は「長いイニングの準備をさせていないのはオレのせい」。3者凡退の2回以外は、すべて四球を与え走者を背負った。球数は88。「あそこの場面は本当に考えた」末に、決断した。村田も納得していた。「苦しい展開。自分でボールボールにして…、仕方ない。自分の力不足」。勝ち星こそつかなかったが、日本で戦う手応えは得た。何より、チーム浮上のきっかけつくった。

 村田は今後、先発調整に入る。来週以降、試合数が減ることもあり、栗山監督も先発ローテーションは再考する考え。「どれが一番勝ちやすいかを考える」。巨人を自由契約となって海を渡り、7年ぶりに戻った日本球界。初めての白星をつかむチャンスは、またすぐにやってくる。【本間翼】