延長12回サヨナラ勝ちに、中日森繁和監督(62)は「最終的に気持ちよく勝てたのはよしとしよう。途中経過を見るとミスが出ている。減らさないと。引き分けは3つめ。競っている試合はミスした方が負ける。でも勝ったからよしとしようか」と苦笑い。サヨナラ勝ちの余韻と、思い通りにいかない試合運びへの不満と。複雑な思いが胸中で交わっているようだった。

 先発大野は7回まで2安打の快投も、ようやく2点をもらった直後の8回に2失点。期待が大きい左腕だけに詰めの甘さには不満を持った。「(8回に)行ってすぐノースリー。弱いところが出たかな」としながらも「いい投球をしたのは認める」と評価した。

 「昇竜ユニホーム」と呼ばれる毎年恒例のサードユニホームを着用した。今季のデザインは昇り竜が描かれたグラデーションが特長。レプリカユニホームが来場者全員に無料で配られ、今季最多の3万5137人が詰めかけた本拠地で、何とか勝利を届けた。

 12試合で早くも5度目の延長戦。今季やっと3勝目だが、すべて苦しんだ末の終盤決着だ。「みんなよっぽど野球が好きなんだな。(9回サヨナラ負けの)昨日も延長戦だった気がしてくるよ。早く帰って寝た方がいい。明日はデーゲームだ」と少し疲れた表情で、会見を締めた。【柏原誠】