ヤングDeNAで今季初のサヨナラ勝ちだ! 延長10回1死三塁から、途中出場の関根大気外野手(21)が「ギャンブルスタート」のサインに応え、三塁から生還。ヤクルトとのシーソーゲームを制した。主力が相次いで負傷するピンチを、控え選手が救った。これでチームの連敗を2で止めて、4位に浮上した。

 文字通り、かけに出た。延長10回1死三塁。DeNAの三塁走者、関根へのサインは、バットに当たった瞬間に走りだす「ギャンブルスタート」だった。カウント2-1。関根は「スタートは(打者白崎の)振り出しの瞬間。低めの球ならゴロの確率は増えるので」と振り返った。打球が三塁側へ転がった瞬間、好スタートを切ると、タッチにくる捕手のグラブをかいくぐって左手でホームベースを触った。「ギャンブルスタートは毎日練習している。自分の足でホームを踏めて幸せだった。最高のパフォーマンスができた」と胸を張った。

 6回表の守備から途中出場し、2打席目の10回先頭打者で自らチャンスを広げた。まずは絶妙なセーフティーバントで出塁。50メートル走5秒台のスピードを生かし、ルーキの暴投とボークで三塁まで進塁していた。お立ち台では「チームは勝ちに飢えている。明日からも勝っていきます」と力強く話した。

 昨年から消化を考慮して肉を一切摂取せずに、野菜と魚だけの食生活に変えた。一時は体重を減らしたが、徐々に戻して体を作りなおした。今季からは休み前日の日曜日だけ「肉の日」と決めて食べるようにしたが、油を使わないしゃぶしゃぶが中心だという。心身共にとぎすまされた状態で、最高のパフォーマンスを披露した。

 これでヤクルトに代わって4位に浮上した。ラミレス監督は「グレートフィーリングだ。関根が素晴らしかった」とたたえた。今後も限られた中での起用となるが「出番が少ないことは昨季から分かっている。準備だけは最高の準備をして臨む」と頼もしく話した。その心意気がチームの息を吹き返させた。【栗田成芳】