楽天ドラフト5位の森原康平投手(25)が、8試合連続無失点で首位堅守に貢献した。3点リードの7回。先発美馬が1発を許した直後に登板した。「新人ですけど、社会人出身なんで」と、強心臓が武器。この日もレアードを高め144キロ直球で空振り三振に仕留めると、1安打を許したものの0封し、これで8試合8イニング無失点。打者25人と対戦し、被安打2、四死球0と抜群の安定感を誇る。

 快投を支える足腰を中学時代に培った。地元・広島にある軟式野球チーム「神辺レッズ」に所属していた。練習場所の広島・福山市の神辺運動場は山に隣接しており、ボールを使わない日は、一日中サーキットトレーニング。起伏の激しい山中でダッシュを繰り返した。「今までの人生で、初めて野球を辞めたいと思った」と言うほど過酷な環境で磨かれた。

 過酷な練習の中、心の支えは小学生の頃にファンになった浜崎あゆみの曲だった。広島でライブに行ったこともある。

 「声がいいんですよね。本当に癒やされる。目が合ったんですよ」。大好きな曲「Trauma」を部屋に流し、プロ野球選手になる夢を追いかけた。梨田監督からは「よくやってくれています」と褒められた。広島の山を駆け回っていた少年が、東北の地で躍動している。【栗田尚樹】