でかっ! 西武は山川穂高内野手(25)が特大の1号ダメ押し2ランを放ち、3カード連続で勝ち越した。3点リードの3回1死一塁、ロッテ先発唐川の直球に照準。手の感触が「全くなかった」引っ張りの打球はZOZOマリンの逆風7メートルに関係なく進んだ。推定140メートル先のスタンドデッキまで届いたボールを、山川の背番号「33」をまとった少年がゲット。現実を受け止めきれずに固まった。沖縄特産の豚“アグー”の異名を持つ飛ばし屋は「デージー(すごく)うれしい」とベンチ前で跳ねた。

 スラッガーらしい考え方をしている。「基本、ホームランの打ちそこないがヒット」。バットをボールの下側に入れ、バックスピンをかけて飛ばす…通説から、1歩進んだ持論がある。「ただボールの下をこすっても飛ばない。少し上からバットを入れていって、つぶすように、ボールの下へバットを入れる。そうすると前に進みながらも上がる打球になる」。理想のイメージは「下半身も使えて、しっかりバットが振れてこないとできない」と言う。

 映像を見ながら右膝の角度を研究し、どっしりと構えた。「いい感じで待てた」第1打席の四球を自信とし、「あの打席に関しては狙ってなかった」というつなぎの意識も加え、結果につなげた。「キャンプから結果を出せず開幕スタメンを逃した。これからが大事。僕が下位のクリーンアップくらいの気持ちで」。好調の打線にもう1枚、厚みが加わった。【宮下敬至】