気負わず、マウンドに立つ。ヤクルト山中が、今日18日に地元熊本で行われる巨人戦の先発登板への意気込みを語った。熊本地震から1年。注目される故郷での試合で言葉を探した。「まだ地震前の感じじゃない。大変だと思うし、なんと言えばいいか…。僕のピッチングを見て、感じてもらって、楽しんでもらえたら」。

 復興への思いがある。震災発生時は都内の自宅におり、親族らの無事はすぐに確認できた。しかし、必由館高時代の野球部主将の家は全壊するなど、身近に被害が出た。「彼は『希望もない』と言っていた。ちょっとでも励みになったら」と自らの投球で被災地に元気を与えたいと願う。

 めぐってきた凱旋(がいせん)だ。先週11日の中日戦が雨天中止。先発ローテがずれ、地元での登板が決まった。「全くの偶然。中止になって、俺だなと思った」と振り返る。中5日での登板となるが「めったに熊本ではやらないし、すごく楽しみ。持ち味を出せれば」とサブマリン投法での緩急を見せると意気込む。

 試合会場の藤崎台球場は「(高校時代に)打たれた記憶の方がいっぱいある」と笑うが、「明日(18日)は大丈夫」ときっぱり。力強く勝利をつかむ。【島根純】