巨人立岡宗一郎外野手(26)が「頑張ろう熊本!」を地元凱旋(がいせん)で体現した。ヤクルト戦で初回に左前打で出塁すると2死一塁から阿部の中前打でランエンドヒットで一気に本塁に生還。約1年ぶりの猛打賞で勝利に貢献した。昨年4月は熊本地震の影響で巨人戦開催が中止となり、同県では11年ぶりの公式戦だった。苦難を乗り越えて行われた一戦で、熊本出身の誇りを示した。

 夢のようだった。藤崎台球場の外野からの風景は鎮西高時代から何ら変わらない。だが身にまとうは巨人のユニホーム。そして地元の多くの野球ファンから視線を注がれた。9回2死一、三塁。立岡はライナー性の打球を追い、天然記念物の雄大なクスノキをバックにウイニングボールをつかむ。名前を連呼され、ヒーローへとたたえられた。「この球場は高校最後の試合でボロ負けしていた。まさか、ここで3本打てるとは。奇跡に近い」と興奮の余韻を残しながら話した。