中日の4番平田良介外野手(29)が“同点の鬼”になっている。1点を追う9回2死走者なし。DeNAパットンの高め151キロ直球を右翼スタンドに運んだ。2日連続の同点弾となる4号ソロで、好投した又吉の負けを消した。平田は「1発が打てて良かった」と胸をなで下ろした。チームは今季3度目の延長12回引き分け。ヤクルトが勝利したため1日で最下位に戻ってしまったが、4番の頼もしさが光っている。

 この日は1度だけではない。0-1の4回2死三塁でも、左中間を抜ける一時同点の適時二塁打も打ってみせた。0-0の2回2死二塁の守り。1番桑原の高々と上がった三遊間への打球を、遊撃を守るドラフト2位京田が痛恨の落球。先制点を献上してしまった。平田はその京田を三塁走者においての打席。ルーキーのミスをも見事に帳消しにした。

 4番に座った19日阪神戦から成績は上昇している。10打数4安打2本塁打4打点、打率4割。3試合連続で打点をマークしている。「4番ですけど、打順はあまりこだわりを持たずにやっている」。どんな場面でも1球に集中し、得点を生み出す。それこそ主砲の仕事だ。

 4番の一振りで負けなかった。森監督は「いい方向に考えないと。向こうは勝っていたけど、うちは平田の1発で追いついた」と働きをたたえた。平田は「自分がみんなに、若い選手に自分のプレーができることを見せないといけない。1球1球プレーするようにしている」と気を吐く。背中でチームをけん引していく。【宮崎えり子】