楽天島内宏明外野手(27)の1発が打線に火をつけた。ロッテ戦に「6番・中堅」で出場し、2回1死一塁から3号先制2ラン。3回にはゼラス・ウィーラー内野手(30)の1号2ランで4-0とし、なおも1死一塁から右前打を放ち得点を演出。14安打11得点に貢献した。先発の則本昂大投手(26)も7回1失点、10奪三振と好投。今季3度目の4連勝で貯金は11。首位の座を固めた。

 島内のつなぎの意識が、最高の結果を生み出した。0-0の2回、1死から銀次が右前打で出塁すると「銀次さんはよく塁に出てくれる。自分も藤田さんにつなごうと意識して打席に立った」。ロッテ先発スタンリッジの、真ん中付近に入ったスライダーを強振。打球は右翼スタンドに吸い込まれた。「ちょっと詰まったけど、いいスイングができた」。自らの1発に納得の表情を見せた。

 難敵相手にも臆せずバットを振った。昨季はスタンリッジに12打数2安打、打率1割6分7厘、3三振と、ほぼ完璧に抑え込まれた。「去年はすごく相性が悪かった。狙い球を絞らず、打てるゾーンにボールが来たら積極的に打とうと思った」。3回、ウィーラーの1号2ランで4-0とし、なおも1死一塁の場面で、フルカウントから、内角の速球を右前にはじき返した。スタンリッジとは今季初対戦ながら2打数2安打。苦手意識を払拭(ふっしょく)した。

 昨季は1番に中軸、下位と多くの打順で起用されたが、今季は6番と7番で固定される。「打順が変わると、気持ちの部分とかの準備が変わってくるが、今は決まっているのでいい意味で気楽に打席に立てる」。3本塁打と長打も見せる島内の働きに、梨田監督も「島内の状態が上がってきている。6番、7番の選手が打つと得点も入りやすい」と、手応えを口にした。

 この日も、6番の島内から9番の三好までが5打点をたたき出したことで、14安打11得点の猛攻を実現させた。今季3度目の4連勝。盤石な戦いを披露しても、梨田監督は「あまり連勝とか気にせず、1試合、1試合、相手に向かっていく」と気を引き締める。1戦必勝のチーム野球が、楽天をさらに強くする。【田口元義】