中日は小笠原慎之介投手(19)の先発復帰を勢いにつなげられなかった。今季初の3連勝をまたも逃した。前日9日は4年目の鈴木翔太投手(21)がプロ初勝利。この流れで小笠原も勝てば、チームの雰囲気も変わっていくと首脳陣は期待していた。

 序盤は無失点。だが、その間に打線は得点できず、4回に先制された。左腕はビハインドのまま5回3失点で降板した。

 ブランクや若さを差し引いても、小笠原の点の取られ方はまずかった。2失点した4回は2死一、二塁から投手の平良に右前打でつながれたのが致命的だった。もう1点もやれない5回は2死走者なしで筒香にソロを浴びた。

 平良には2回の打席でも9球を投げさせられていた。プロ初勝利を狙う相手右腕の必死さがにじみ出ていた。3回にあっさり3球三振した小笠原と比較して、森繁和監督(62)はハートの部分で疑問符をつけた。「試合の中で相手に立ち向かう姿勢というかな。粘り合いを見せていかないと。それが昨日の鈴木との違い。次の登板に役立ててほしい」。ピシャリと言った。

 森監督は小笠原を抹消せず、来週からも先発ローテで回すことを明言した。もちろん正式な判断は翌日以降の肘の状態を見てからになるが、2年目左腕には他の投手以上の大きな存在感を求めている。【柏原誠】