最下位に苦しむロッテの救世主となるか-。開幕から3戦3敗で2軍再調整となった石川歩投手(29)が23日からのソフトバンク3連戦(ヤフオクドーム)で1軍復帰する。英二投手コーチが15日、「落ちた時よりも良くなっている。明日(16日)もう1回、下で投げますが、本人が何と言おうと、こっちが背中を押すしかない。ソフトバンク戦で行ければ」とプランを明かした。今日16日のイースタン・リーグ楽天戦に先発した後、再昇格の方針だ。

 チームを取り巻く状況は、厳しさを増している。5連敗中で、借金は早くも17。今日の西武戦に敗れ、同時に首位楽天が勝てば、早くも37試合目で自力優勝の可能性が消滅する。先発の台所事情も苦しい。石川に続き、西野が再調整。佐々木、二木ら若手にも疲れが見え始めている。先発陣全体でも、序盤の大量失点で敗れるケースが目立つ。昨季14勝で最優秀防御率に輝いた石川が本来の姿に戻れば、明るい光となる。

 もちろん、全体の復調が不可欠。カギは“逆転の発想”だ。英二コーチは「(前カード日本ハム戦で)レアードや大田に打たれたのは、捕手の構えたところより内に行ったもの。追い込んでから甘くなっていた」と指摘。第1、第2ストライクはコースギリギリで奪えても決め球で甘くなった。要因に「打たれたくない」という投手心理があると分析。連敗が続くチーム状況が窮屈な投球に拍車を掛けている。そこで「初球に(真ん中付近に)ドンといっていい。強い球でファウルでもOK。逆転の発想です」と提言。大胆さを取り戻す。

 今日から本拠地6連戦。負け続けるわけにはいかない。石川が戻るまで1週間。それまでに浮上のきっかけをつかむ。【古川真弥】