苦渋の決断だったに違いない。ソフトバンク和田毅投手(36)が左肘を手術する方向で調整していることが、17日分かった。左肘の遊離軟骨を除去するためで、クリーニング手術を早ければ来週中、遅くとも5月中には行うものとみられる。手術をすれば実戦復帰は早くても9月ごろの見込み。大事な終盤戦、クライマックス・シリーズなどポストシーズンでの復帰を目指すことになる。

 左肘痛からの早期復帰を目指し、福岡・筑後市のファーム施設で何度かブルペン入りした。しかし状態は上がらなかった。10日にブルペンで変化球を解禁した際には、「投げている球はいいボールがいっていない」と話していた。このままリハビリを続けるよりも、手術で完治させる道を選んだようだ。

 昨季5年ぶりに日本球界、古巣に復帰し、チーム最多の15勝をマーク。だが、左肘の違和感を訴え、9月23日に出場選手登録を抹消された。大事な終盤戦に投げられず、最大11・5ゲーム差を日本ハムに逆転され、V逸した責任を大きく感じていた。それだけに、今季は左肘に関しても慎重に調整してきたが、離脱は避けられなかった。

 開幕投手を務めた3月31日のロッテ戦は8回1失点で勝利。だが、2戦目の4月7日西武戦で左肘の張りを訴え5回で降板。そのまま戦列を離れた。今季はここまで2戦2勝。防御率2・08だった。チームは精神的支柱を欠きながら、レギュラーシーズンを戦っていく。