中日は2連勝を飾り、9勝9敗で交流戦を終えた。ドラフト1位の柳裕也投手(23)が7回3失点で初勝利を挙げた。

 3-1の6回に暴投などで同点とされたが、柳に代打が出された7回に亀沢の中前打で勝ち越した。

 3万6401人が見守る中、背番号17は初めてお立ち台に上がった。「チームが勝てるような投球をしたかった。野手の方が点を取ってくださり、頼もしかったです。本当にいろいろな方にお世話になってきた。今日は父の日なので、ウイニングボールは父の仏壇に置きたいと思います」と笑顔で話した。柳は小学6年のときに父を事故で亡くした。「家族が一番。こういう日に勝たせてもらったのは何かあるのかなと思う」と感慨深げだった。

 宮崎・都城市出身で、横浜、明大から昨年のドラフト1位で入団。3月に右肘痛を発症し出遅れたが、5月に1軍昇格。3試合の中継ぎを経て、これが3度目の先発だった。

 森繁和監督(62)は「打たれることはあっても、精神的に崩れることがない。ダテに東京6大学、全日本でやっていない。ほかの新人とは違うと見ている」と新人右腕をたたえた。2回1死一塁でバントを併殺にするなど、総合的な能力の高さも売りだ。

 小笠原、鈴木とドラフト1位の若手が次々とローテーションに定着。柳にも勝ちが付き、最高の形で交流戦を締めくくった。【柏原誠】