阪神藤浪晋太郎投手(23)に、9月のフル回転プランが浮上した。27日の巨人戦で7回途中3失点と復活の兆しを見せた右腕は、短期間に2軍で2度の実戦登板という異例の調整をへていた。これをヒントに、金本知憲監督(49)は今後、中4日など登板間隔を詰めて起用することを検討課題に挙げた。若き右腕の完全復活が、勝負の9月の鍵を握る。

 勝負の9月へ、若き右腕が希望の光だった。藤浪だ。27日の巨人戦で7回途中を3失点。敗戦投手になったが、悩まされた制球難に改善が見られた。金本監督は「大きい。大きいよ、そりゃ」と言う。メッセンジャーが離脱し、軸になるのは秋山だけ。先発陣のやりくりに苦しんできた。それだけに、復調気配を見せる藤浪は今後のプラス材料。そこで浮上したのが、9月のフル回転プランだ。

 指揮官は異例の調整法に着目した。27日の巨人戦までに、藤浪は1週間で2度の2軍マウンドに上がり、登板前日にもブルペンで投球練習を行った。メッセンジャーのように、登板間隔を詰めて、投げることを望むタイプもいる。「晋太郎は(どんどん)投げたいんかな、もしかして。それ(短い間隔)もアリやね。ブルペンより試合の方がいいのかな」。今後、中4日などの登板間隔で起用することを検討課題にした。

 その利点はある。シーズンは28試合。9月以降にCSを争うDeNA、巨人と計14試合も残している。藤浪はDeNAに8連勝するなど相性がいい。調子を上げている巨人打線に対しては、前回のように力勝負を挑める。中4日登板を組み合わせば、両チームにぶつけることが可能になる。

 28日、藤浪は甲子園球場の室内練習場に行われた投手指名練習に参加。キャッチボールや投内連係などで汗を流した。金村投手コーチは「体の張りがあって投げているので、(次回は)登板間隔を詰めることはないと思います」と説明。疲労を考慮し、次戦は同じ日曜日の9月3日中日戦の先発が濃厚だ。そこで完全復活した姿を見せられれば。フル回転プランが本格化する。シーズン終盤、そしてポストシーズンをにらみ、藤浪の存在感は大きくなる。【田口真一郎】