日本ハム栗山英樹監督(56)が5日、ドラフト1位指名の早実・清宮幸太郎内野手(18)に“ハタチまで恋愛禁止令”を施す意向を示した。秋季キャンプが行われている沖縄・国頭で「20歳までは野球に集中して欲しい」と望んだ。高校を卒業し社会人になれば、恋愛、娯楽など多種多様の誘惑が待ち受けるが「野球をすることが一番楽しい」が持論の同監督は、若いうちは脇目を振らずに野球に打ち込むことを期待した。

 野球を“恋人”にしてくれることを望んだ。栗山監督は、ドラフト1位で入団が確実な早実・清宮の私生活について、親心を交えながら力説した。「まず20歳までは野球に集中して欲しい。高校野球が終わって、いろいろな興味も出てくると思う。世の中にはいろんな楽しいことはいっぱいあるけど、『野球ってこんなに楽しいのかぁ』ってことをわかって欲しい」。恋愛や娯楽を封印し、野球道にまい進してくれることを期待した。

 特に高卒でプロ野球界に足を踏み入れる選手は、未成年でいきなり大金を手にすることになる。契約金や年俸は、最初は両親が管理することが一般的だが、それでも08年に入団した中田は、小遣いが30万円であることを告白し、さらに「何も買えないですよ」と発言して周囲を驚かせた。

 高校での集団生活から解放され、恋愛はもちろん、パチンコなどの娯楽も遠慮なくできる立場になる。だが、栗山監督は「野球をうまくなることは本当に楽しいこと。みんな野球を始めたときはそういう気持ちだったはず」。学校から帰り、ボールとバットを持って遊びに出掛けた少年時代の思い出をなぞりながら、プロ入り当初は、同じ気持ちで打ち込んでくれることを望んだ。

 同じく高卒で入団した大谷も、「禁止令」こそ出されなかったが、アルコールでハメを外すことも、女性との浮いた話もなく、野球に集中してきた。清宮にも、球界の宝として、技術はもちろん、人間的に真っすぐに成長して欲しいと願う指揮官。だがもちろん“恋愛禁止”で縛り付けるわけではなく、将来的には「本当にいい人と一緒になって欲しいよね」と、野球も私生活も、幸せになることを望んでいる。10代のすべてを野球のために費やすことが「野球の神様」に愛されるための近道になる。【本間翼】