V3のカギは金本阪神。広島緒方孝市監督(49)が18日、金本知憲監督(49)率いる阪神に、強烈なライバル意識を見せた。大阪市内で所属事務所のパーティーに出席。巨人以外では初となるセ・リーグ3連覇、日本一へ「阪神を倒さないと絶対に達成できない」と引き締めた。特に、昨年まで韓国ハンファで2年連続3割30発100打点をマークした新外国人のウィリン・ロサリオ内野手(28)は名前を挙げて警戒警報を発令。今年50歳の同学年対決がセ・リーグを熱くする。

 “猛虎の縄張り”に乗り込んだ緒方監督が、阪神をたたくことを宣言した。大阪市内での会とあって「きょうは敵地なのであまり…」と苦笑いを浮かべながらだったが、偉業の3連覇に向け阪神への警戒感は単なるリップサービスではない。その証拠に、新加入ロサリオに注目していることを具体的に示した。

 「阪神を倒さないと絶対に3連覇、そして日本一は達成できない。やっぱり今年はロサリオ。情報はあります。長打があって広角に打て、走力もあるということですよね。気をつけないといけない」

 大目標へ向け、虎党もまだ見ぬ4番候補の外国人選手を開幕前、来日前から警戒している。助っ人だけではなく広島と同様、若手起用を進めながら実績のあるライバルを併用しながら力をつけてきた阪神の現状も注視する。連覇を果たした昨季についても、連覇への実感を持ったポイントが9月5日の阪神戦だったとハッキリ明かした。

 「金本監督が今季3番構想を持っているという福留とかね。去年のあの試合もウチの中崎が福留に逆転本塁打を浴びて。その裏、今度はウチの安部がサヨナラ2ランを打ってくれた。あの勝ちで、よし! いける! と思った」

 何より緒方監督が気合を入れているのは、金本監督との対決だ。広島黄金時代を代表する左右のスラッガー。大卒の金本監督に対し、自身は高校から直接プロ入りしたが学年は同じだ。広島を意識しながらチームづくりを進める金本監督に対し、独特のライバル意識も持っている。

 昨年オフには阪神坂井オーナーを喜ばせたというセリフをこの日も口にした。「確かに2位の阪神に10ゲーム差がつきましたが、それほどの力の差はないと思う」。実際に戦っている者同士にしか分からない感覚を示した。

 もちろん昨季、クライマックスシリーズで苦杯を喫したDeNA、さらに巨人と気を緩める相手はいない。それでも緒方監督の頭の中に、倒すべき相手として真っ先に浮かぶのは3年目の金本阪神だ。【編集委員・高原寿夫】