中日の5年目右腕、鈴木翔太投手(22)の開幕ローテーション入りが決定的になった。21日のソフトバンクとのオープン戦(ヤフオクドーム)に先発し、昨年の日本一打線を相手に6回7安打3失点でまとめた。

 森監督は「(先発投手として)ずっと計算しているよ」と開幕ローテの1人として考えていることを示唆。4月3日、巨人との本拠地開幕戦の先発候補に浮上した。

 竜党期待の右腕鈴木翔が、プロ5年目で初めて開幕ローテーションの栄誉を手にしそうだ。4回のデスパイネに続き、内川のソロ本塁打を許して4-3と1点差に迫られた6回。なおも1死一、二塁と攻め立てられたが、松田を遊飛、甲斐を空振り三振に仕留めて踏ん張った。

 価値ある粘投だ。昨年日本一のソフトバンク打線を相手に6回7安打3失点で試合を作った。先発の役目を果たしてオープン戦2戦2勝。鈴木翔は「(本塁打2本は)抜けた球を打たれた。こういうのをなくさないといけない。(結果に)納得はできていない。しっかりと腕を振ることを心がけたい」と反省を口にしたが、森監督は教え子を持ち上げた。

 「(先発投手として)ずっと計算しているよ」

 間接的な表現ながら、開幕ローテを任せる方針を示唆。投手コーチ時代から成長を見続けてきた右腕の、さらなる飛躍を期待した。

 安定感を認められた。鈴木翔は前回登板の13日西武戦(小牧)で6回無失点ながら6四球と制球を乱したが、この日は1四球。試行錯誤して生み出した新球チェンジアップの試投も成功した。「しっかりと勝負できた。今日は直球が指にかかった。チェンジアップも使えることが確認できた」。日本一の強力打線から5三振も奪った。「直球が走れば、フォークもチェンジアップも入れられる」。大きな収穫を手にした。

 ローテに加わった若武者を、本拠地開幕の4月3日巨人戦に抜てきするプランも浮上した。先発候補だった又吉が中継ぎへ配置転換され、先発ローテは目下、再編中で、23日からのロッテ3連戦(ナゴヤドーム)、2軍阪神3連戦(鳴尾浜)で開幕ローテ当確組の小笠原、ジー、松坂とともに、吉見、笠原、柳の候補3人が登板する。その結果次第では、中日“お膝元”の静岡・浜松市出身の右腕が本拠地開幕投手の大役を任される可能性もある。【伊東大介】