じっくりと、近い将来の主軸を2軍で育成する。日本ハム栗山英樹監督(57)が19日、当面の間は清宮幸太郎内野手(19)を再昇格させない考えを明かした。イースタン・リーグで本塁打量産中のルーキーだが、1軍では出場機会が限られる現状を考慮。常にスタメン出場するチームの顔として大きく育てるため、1軍野手にアクシデントが起きない限り、2軍で実戦経験を積ませていく。

 帰道前の広島空港で、清宮について問われた栗山監督の口調が強くなった。22日から再開するリーグ戦からの再昇格の可能性を質問されると「ベンチに座っていることは、あり得ない。ああいう選手は、(1軍の)試合のここで使うという場所をはっきり決めていくわけじゃん。間違いなく(2軍で)やるべきことはいっぱいあるから」と、説明した。現時点で、1軍へ招集するゴーサインは、出なかった。

 好調な1軍で清宮が毎試合スタメン出場できる環境が、今はない。本職の一塁守備には主将中田がいる。5月から取り組む左翼守備では近藤とアルシアがおり、2人はDHを含めて併用されている。栗山監督は常々、清宮の将来像を「チームを勝たせることが出来る選手」と話す。大きく育てるためのプランの1つが、1、2軍関係なく、試合に出るならばスタメン出場が基本線ということ。出場機会が制限されるような状況での再昇格は、ほぼない。

 栗山監督は2軍戦で本塁打を量産する清宮ではなく、「打った打席ではなく、打ち取られている打席をしっかり見ている」という。5月に1軍初昇格した際には、ボール球に手を出して凡退するケースも目立った。失敗から何を学び、修正して、成功する可能性を高めていくのか。「それ(凡退の内容)が(良くなって)いけるんだったら、どこかで(再昇格を)考える」。近々に1軍に呼ぶケースは、主力野手にアクシデントが起きた時に限定されそうだ。【木下大輔】