右足腓骨(ひこつ)を骨折している阪神糸井嘉男外野手(36)が、代打で登場した。

 「代打・糸井」がコールされると場内はどよめいた。

 6回1死一塁、かつての本拠地である京セラドーム大阪の人工芝をゆったりと踏みしめて打席へ。打席の土を整えた右足は骨が折れている。

 マウンドには、かつてのチームメートである日本ハム宮西。初球のストライクを見逃すと、2球目をスイングした。真ん中低め138キロ直球を、ふわりと打ち上げた。二飛に終わるも、一塁に向かう際はゆっくりと走った。アウトを確認してベンチに戻る際も、足を引きずることもなく、ダグアウトに戻った。

 試合前には6月30日の故障以降、初めてのフリー打撃を行っていた。「ちょっと迷惑は掛けますが、できる限りやりたい。自分もどれぐらいできるか、わからないので」。超人を一目見ようと楽しみにしていた野球ファンに雄姿を届けた。