ギータ不在が響き、痛すぎる黒星だ。ソフトバンクが首位西武に連敗し、ゲーム差は5・5に広がった。試合前練習に向けたウオーミングアップ中に柳田悠岐外野手(29)が、西武栗山のフリー打撃の打球を左側頭部に受け、所沢市内の病院に搬送された。診断は打撲だったが、この日は大事を取って欠場。今日17日以降も状態を見て決めるが、今日敗れれば自力優勝の可能性が消滅するところまで追い詰められた。

藤本打撃コーチは「あそこで4番に回る。(柳田の不在は)痛いよね」と率直に語った。4点を追う9回無死満塁。柳田の代役で4番に入ったグラシアル、長谷川勇が連続三振に倒れ、松田宣の適時打で1点を返すのが精いっぱい。工藤監督は「追い詰めはしたが、結果的には負けた」と連敗を受け止めた。

首位西武との3連戦第2ラウンド。アクシデントは気合十分でナインがグラウンドに出てきた直後に起きた。一塁側ファウルゾーンで寝てストレッチをしていた柳田の左側頭部に、西武栗山のフリー打撃の打球が直撃。柳田は約30分その場で安静にし、球場内で救急車に乗せられ、所沢市内の病院へ運ばれた。

検査の結果、左側頭部の打撲と診断され、骨折、頭蓋内出血、脳振とうの所見はなかった。試合中に球場に戻ってきた柳田は「(側頭部は)痛いが安心した。不幸中の幸いだったと思う」と大きなケガではなかったことに安堵(あんど)の表情。ただ、主砲を欠いた打線は14安打5得点と奮闘したが、序盤に背負った大量失点をはね返すことはできなかった。初めて4番に座ったグラシアルは最終回の三振を含め、5打数1安打3三振に終わった。

最低でもカード勝ち越しと意気込んだ直接対決で思わぬ連敗となり、ゲーム差は5・5まで広がった。今日17日に敗れれば自力優勝の可能性が消滅する。工藤監督は「残り20試合、何があったとしても全力で戦っていくしかない。柳田が大事に至らなかったことが何より。今後は明日(17日)の状態を確認して」と、前を向いた。柳田は今日の出場について「いけるなら出たい」と意欲を見せた。直接対決第3ラウンドは絶対に負けられない。【石橋隆雄】